いちじく

淡路島の豊富な食材たち

登場して40余年、
新たな淡路島の代表フルーツ

 いちじくは、栄養豊富で「不老長寿の果物」といわれる、クワ科イチジク属の植物です。果実は柔らかくジューシーで、種のプチプチとした食感が特徴的です。いちじくは花が無いように見えることから、漢字では「無花果」と書きます。しかし、実際には外から見えないだけで花は果肉の中にあります。果実を切ると見える、赤いツブツブが詰まっているところが花です。

 人類最古の栽培果実といわれ、原産地はアラビア南部や南西アジアと見られています。

 旧約聖書にも数多く登場し、古代エジプトの壁画にはブドウと共に描かれています。また、人類の始祖であるアダムとイブが裸を隠すのに使ったのが、いちじくの葉であったことが旧約聖書に記されています。

 生産量はトルコが世界一で、中でもエーゲ海地方のイズミルは一大生産地として有名です。太陽が照りつくすトルコのエーゲ海地方や地中海地方には、家の庭や街路樹などにいちじくの木があります。

 淡路島で栽培されるいちじくの品種は、ほとんどが日本のメジャーブランドといわれている糖度・品質ともに最高品種の「桝井ドーフィン」です。

 兵庫県は、全国でイチジクの生産量第4位(農林水産省・2018年産調べ)を誇っています。中でも県内2位の出荷量を誇っているのが淡路市ですが、そもそもの「淡路島いちじく」の歴史は、1980年、五色町にて水田の転作作物として導入され、これが産地化の始まりとなりました。その後、他町においても水田転作の有望作物を捜す中で、1983年には津名町、1984年には北淡町において産地化への取り組みがされました。

 2009年に約5.9ヘクタールだった栽培面積は、2015年には約15.6ヘクタールにまで増加。栽培農家も淡路、洲本両市を中心に104戸まで増え、島の特産物として成長を続けています。(2015年)

おいしさの秘密

 淡路島の温暖な気候は栽培の適地です。豊富な日照時間が上品な甘みと香り、果肉の軟らかさをもたらします。

 いちじくは追熟(収穫後一定期間置くことで、甘さを増したり果実をやわらかくする処理)ができないため、完熟したものを収穫するため日持ちがしません。淡路島は他の産地に比べて、京阪神に近く収穫後直ぐに出荷できるのもメリットです。

おいしさの特徴

 朝取りの新鮮ないちじくは、上品なほんのりとした香りと甘さで、その豊潤な味わいは格別です。また、淡路島のいちじくは実が大きく、甘みは多いのが特徴で、出荷期間も8月上旬から11月中旬までと他より2週間長く味わうことが出来ます。

 また、黒のいちじくは、市場にはめったに出回っていません。味はまるで、キャビアのようです。サイズはそれほど大きくないのですが、甘さは極上の甘さで、苗を植えてもなかなか実がならず、出荷用に育てるには難しいいちじくと言われています。

おすすめ・旬の時期

 8月上旬から11月中旬が旬の時期です。他の産地では、8月中旬から10月までですが、約2週間程度出荷時期が長いのが特徴で、長い間いちじくを楽しむことができます。

効能

以下の成分が豊富に含まれています。

カリウム 比較的多く含んでおり、高血圧や動脈硬化などの予防に効果があると言われています。
ペクチン ペクチンをはじめとした食物繊維も多く含まれているので、便秘改善にも期待できます。
フィシン タンパク質分解酵素であるため、食後に食べると、消化を促進させてくれます。

おすすめのグルメ

 そのまま食べるには、まずはお尻側から2つに割り、皮を剥いてガブッと頬ばってください。爽やかな甘さが口いっぱいに広がります。

 2012年度に立ち上げた「淡路島いちじくブランド化推進会議」は、いちじくを活用したスイーツを競い合う「淡路島いちじくスイーツセレクション」を開催するなど、新たなメニューを考案し続けてきました。また、淡路果樹協会は、「淡路島いちじく品評会」を実施して、農家のレベルアップを図るなど、ブランド価値向上の為の各種の取り組みが功を奏し、現在は以下のような加工品も多く登場して、旬の時期以外でも年中食べられ、グルメの幅が大きく広がっています。

サブレ 旨味たっぷりの淡路島産ドライいちじくとペーストを使用し、上品でほのかな甘みの いちじくサブレに仕上がりました。
ドライフルーツ 無添加、無着色でグラニュー糖などでの味付けも行っておりません。
ジャム 癖がないしっかりした甘みと、ぶつぶつした食感が楽しいジャムに仕上げています。
キーマカレー おいしい玉ねぎ、完熟いちじくと淡路牛がカレーをより美味しくします。
コンフィチュール 淡路島産いちじく・砂糖・レモンを使用しています。
焼肉のたれ ジャンボにんにく・たまねぎ・淡路島産いちじく入りのあわじ焼肉のたれ。
ゼリー 癖がないしっかりした甘みと、ぶつぶつした食感が楽しいゼリー。