河西青果株式会社

河西雅隆さん・貴久さん

Interview

インタビュー

”食の宝庫”淡路島を支える生産者たちの
熱い想いをご紹介します。

未知の農業の世界に飛び込み、仲間たちと情熱を注いで生み出した、甘くて美味しいレタス

河西青果株式会社 河西雅隆さん・貴久さん

 

まさしく「畑違い」の異業種から、25歳の頃に未経験で就農した河西雅隆さん。2012年には河西青果株式会社として法人化。のちに弟の貴久さんも合流し、兄弟で新規就農というユニークな2人を中心に、平均年齢27歳の若さあふれるエネルギッシュなチームで淡路島の農業を盛り上げています。
「本当に何もわからなかったので、とにかく地元の先輩方に『教えて!』と頼み込んで、農地を借りるところからスタートしました。若かったのもあり、失敗しても許されるだろう……と思ってグイグイいってましたね(笑)」。当時は野菜の栽培方法も手探りで、やっとの思いで収穫しても、製品基準に満たないものばかり。周りの方からのアドバイスと、たくさんの失敗からデータを取ることで、少しずつ改善していきました。

 

土づくりを工夫して生まれた、甘くて美味しいレタス

現在の主な生産品はレタスと玉ねぎ。レタスは10月から5月までの間に3回、玉ねぎは年に1回の収穫をしています。質の良いレタスを安定した供給量で生産できるようになるまで、かかったのは約5年。「食べてもらう消費者の皆さんに喜んでもらうには、やっぱり味ですよね。美味しくないと買ってもらえませんから。味にはとことんこだわっています」。

レタスは水分が多く、味の区別が難しい野菜ですが、河西青果のレタスは子どもでもムシャムシャ食べられる甘さが特徴です。この甘いレタスを作るために不可欠なのは『土壌作り』。雅隆さんは試行錯誤の末、レタスの苦みの元になる化学肥料によって生じる硝酸態窒素を減らすため、善玉菌である納豆菌の散布を行い、土壌微生物を活性化させる肥料を用いて、土を健全な状態にしました。

 

自分で作ったものは、自分の手で届けたかった

雅隆さんは就農当初から、作ったものを自ら販売するために法人化を意識していたと話します。「やっぱり作ったものを売ることって一番大切な部分ですし、自分たちで作ったものを自分たちで売るというのが本来の姿だと思っています」。販売には手間もかかりますが、メリットは他にもあります。気候や災害など自然に左右され、値段が変動しやすい中で、市場の影響を受けず自分たちが決めた価格で販売することができるのです。

そして、消費者から「美味しかったよ!」「良いものが届いたよ!」というダイレクトな声を聞けるのは何よりも日々のモチベーションにつながるといいます。「お客さんと話していると、自分たちが求められているものがわかります。求められるようなものを提供し、組織としての規模を大きくすることが僕たちの理想ですね」。

 

みんなで話し合えたから、ここまで続けてこられた

「最初は売るものを作らないと……という危機感もあり、めちゃくちゃ過酷でしたね。でも、生産することは毎日いろいろな発見があってとても楽しいんです。忙しい中でも従業員の成長が見れると、本当に嬉しいです」と話すのは農作業の現場監督を務める弟の貴久さん。河西青果の強みはなんと言ってもこの組織力で、農業法人では珍しく営業担当者も在席しています。

「人それぞれ得意・不得意がありますよね。体が丈夫で農作業に向いている人もいれば、外回りの方が向いている人もいます。それぞれ得意なことで活躍してもらえれば嬉しいです。正直一人でずっと作業をするだけだったら、すぐ嫌になっていたと思うんです。『ああでもない、こうでもない』みたいな何気ないことを言い合える仲間と仕事ができたから続けられた。これらからも淡路島で美味しい野菜を作り続けていきたいです」。